『ソウ』や『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『CUBE』に代表される、「ソリッド・シチュエーション・スリラー(Solid Situation Thriller: SST)」の映画が結構好きです。
もちろん SST とは Social Skills Training (認知行動療法のひとつ)のことではありません。
個人的にとても印象に残っている作品は、誘拐ビジネスを扱った『[リミット](Buried)』。
あとジャンル違いかもしれないけれど、実話の『127時間(127 Hours)』です。
で、今日は『YES/NO(イエス・ノー)』を観ました。
作品を要約すると、新婚夫婦がそれぞれ別の密室に閉じ込められて、真実の愛を試されます。
なんと、密室という極限状態で、夫婦は強制的に、、、、!
結婚相手の秘密を伝えられます。えっ…
しかも、秘密というのは、夫のギャンブル癖と暴力癖、妻の浮気と妊娠。
…結構ふつう?
密室で追い込む必要あった??
そこで、少しこの作品について自分なりに考えてみようと思う。
こういう時の手がかりは自分の抱いた「違和感」だ。
まず、私が違和感を感じたのはトイレ。
この作品は、SST の定番、「目が覚めたら密室」パターンです。
その密室には、ベッド、小さなデスク、椅子がある。
そして、食事や水が提供される点が、他の SST 作品と異なり、良心的、、、かと思いきや、トイレがないじゃない!?
「人間の尊厳崩壊作戦か?」
と思いつつ観たけど、トイレのことなんか忘れたみたいに物語が進み、やっぱり最後までトイレのことなんか忘れていました。
トイレがないのは、何かを暗示しているのでしょう。
次は、殺されたエリックの死体が消えること。
あと、空間の上下の概念の歪み(重力の方向が逆)。
そして、密室から出た時の夫婦のキレイさ(全然ボロボロじゃない)。
よって、考えられることは、全てが脳内(?)バーチャルリアリティだったという設定(オチ?)。
途中の「記憶ですら修正は可能だ」といった内容のセリフはおそらく伏線。
バーチャルリアリティと考えれば、他人の銀行口座を容易に凍結できる、自宅から目的の物をすぐに運ぶ、室内の人間が起きているのに、気づかれずに水を置いていく、など、全部説明できる。
つまり、最新の夫婦の関係改善プログラムとは、脳内シュミレーションを用いたプログラムであるということが示唆されているのだろう。
…で、密室で追い込む必要あった?(2回目)
総評。
Q. スリリングな展開を楽しめましたか?
A. No(いいえ)
Q. 人にオススメしますか?
A. No(いいえ)
Q. もう一度観たいですか?
A. No(いいえ)
脳内シュミレーションなら、1998年に『世にも奇妙な物語』で放送された、三上博史主演の「懲役30日」が秀逸。
最近では映画『インセプション(Inception)』が面白かったな。
ちなみに、「ソリッド・シチュエーション・スリラー」という言葉は、日本だけで使われている和製英語らしい(ソース)。へぇ~
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